「NISAでは高配当株として鉄鋼や製薬関連の企業も人気ですが、今回はあえて外しました。鉄鋼関連は中国経済の先行きが不透明なこともあって世界的に鉄鋼需要が鈍化していますし、製薬関連は各社の開発動向に左右され、業績に浮き沈みがあるためです。長期保有を考えている投資家にとって、より向いていると思える企業を選びました」(田嶋さん)

 また3月期決算企業だけに限らず、12月期決算や3月期決算などもバランスよく含めてもらった。

 このうちまず、コマツは言わずと知れた国内最大手の総合建機メーカーだ。足元の業績も好調に推移する。1月に発表された直近の2024年3月期第3四半期(23年4~12月)決算は売上高が前期比10.1%増、本業のもうけを示す営業利益が同30.8%増と増収増益だった。市場では同通期は会社計画を上回ると期待されている。

オフィス家具業界は好調

 田嶋さんによれば、ライバルの米キャタピラー社に追随した値上げ効果が浸透し、利益率が改善。北米事業が好調なほか、部品を含めた鉱山機械の需要が想定を上回って推移しており、今後も好調が続きそうだという。

 オフィス家具が主力のオカムラも、コロナ禍で広がった働き方改革の追い風を受けている。オフィスの改装需要を取り込み、今期(24年3月期)は売上高、利益とも過去最高ペースで推移する。来期(25年3月期)も引き続き好調が見込めるという。

「経済再開後に勤務形態を在宅から出社に戻す割合は増えていますが、同時にオフィスの改装や移転の需要も増え、オフィス家具業界は全体的に好調です。値上げもスムーズに進んでいるようです」(田嶋さん)

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