新NISA(少額投資非課税制度)で人気の「高配当株」。ただ一言で高配当株と言っても、株式市場にはたくさんの銘柄があり、迷ってしまう。これからもできるだけ長く、安定した配当が期待できそうな企業はないか。高配当株のうち、来期も好業績が期待できる銘柄を専門家に選んでもらった。
1月の新NISAのスタートにあたり、政府は効率的な資産運用を行うため「長期・積立・分散」の投資を改めて呼びかけた。制度のメリットを十分に生かすにも、なるべくそれに沿った投資をしたほうが有利だ。
個別株の投資にあたっても同じだ。長く保有することを想定した場合、この先も業績の安定や成長が見込める企業を選びたい。証券会社出身で経済や金融市場の動向や資産運用に詳しい経済アナリストの田島智太郎さんは言う。
「業績が安定していれば配当も得られやすいし、今後、成長性が評価されて値上がり益も狙えます」
なくしたりする恐れ
配当は企業が稼いだ利益の中から株主に対して配分する。その企業の戦略や方針にも左右されるが、利益を原資としているだけに、継続して一定の利益を上げていることが前提になる。業績が悪くなると配当を減らしたり、なくしたりする恐れもある。
好業績が見込めれば、田嶋さんが言うように、市場から評価も上がって株価の上昇も期待できる。
そこで今回、田嶋さんに、一般的にもよく知られた企業のうち、1株あたりの年間配当の額を株価で割った「配当利回り」が3%を超えていて、かつ、来期以降も業績の伸びが期待できる企業を挙げてもらった(次ページの表)。