天皇、皇后両陛下が22日、元日に発生した能登半島地震の被災地を訪れた。令和の両陛下が発災から間もない被災地を訪れるのは、2回目となる。2月の天皇陛下の誕生日会見では「能登半島へ行かなければ」という気持ちと「迷惑になってはいけない」、そんな葛藤が伝わってくるものだった。陛下の学生時代の友人は、「陛下は高校生の頃から、災害が起こると自分との約束は中止して国民に思いをめぐらせていた」と話していた。それは、まだ青年であった陛下の皇位継承者としての覚悟がにじむものだった。
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能登半島への訪問を、いかに天皇陛下が切望していたか。それは、2月の陛下の誕生日の会見での言葉によく表れていたと、象徴天皇制を研究する名古屋大の河西秀哉准教授は話す。
陛下は会見で能登半島へのお見舞いについて、こう述べている。
「私としては、現地の復旧の状況を見つつ、被災者の皆さんのお気持ちや、被災自治体を始めとする関係者の考えを伺いながら、訪問できるようになりましたら、雅子と共に被災地へのお見舞いができればと考えております」
一刻も早く行かなければいけない。しかし、自衛隊や自治体、何より住民の迷惑になってはいけない。
「陛下の言葉からは、そうした逡巡がダイレクトに伝わってきました。周囲への気遣いを絶やさない陛下のご性格そのものだと感じました」
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誕生日での会見で「雅子と共に」と言葉にしていた陛下。22日に能登半島を訪問したおふたりは、黒いタートルネックのセーターにグレーの上着とパンツという、統一された服装。互いの絆の強さを感じさせる光景だった。
おふたりの被災地への思いは、天皇、皇后として初めて訪れた被災地でも強く伝わってくる。