政倫審で野党議員からの質問に答え世耕弘成前参院幹事長

世耕氏は「よくそんなことが言えるなと」

 14日の政倫審には、安倍派幹部“5人衆”の1人である世耕氏も出席した。だが、世耕氏は野党からの質問に「記憶にない」「わからない」「知らない」などと20回以上も繰り返し、世間からも大きな批判を浴びた。西田氏はこの答弁をどうみたのか。

「世耕さんは安倍派の参院議員の会『清風会』の会長でした。これまでは衆院に対して、参院が軽くあしらわれたら『いいかげんにしろ』と闘ってきた人でもあります。その人が政倫審では『私はただ安倍派参院議員への連絡をするだけの役目』『衆議院を含む清和会全体の運営に関与することはなかった』などと弁明する。さらに、『清風会』については『ただの親睦会です』とまで言っていました。つい最近まで自民党参議院の幹事長までやっていたのに、よくそんなことが言えるなと思います」

 一方で、西田氏は自身のキックバックについては「報道で知った」「われわれも巻き込まれた」などと答弁したことで、世間からは厳しい声も上がった。西田氏がこれまでキックバックに気づかなかったのはなぜなのか。

「まず、時系列から言うと、私の事務所の秘書が、約10年前に先代の事務局長から呼ばれ、政治資金パーティーの『還付金』を現金で渡されました。その際に『政治資金収支報告書には記載するな』と言われたのです。うちの秘書が『記載させてください』と主張すると、事務局長からは『少し考えさせてくれ』と言われたそうです。そして翌日、『やっぱり記載はダメ』と言われ、現金を渡されたと。他の人も皆受け取っているから、西田事務所も受け取ってくれということ。つまり、派閥から不記載を強要されたんです」

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二次災害に巻き込まれたようなもの