日銀の政策修正に対する見方がより強まった週明け18日は、株式市場は反発。日経平均は3万9千円台を回復している。

 では、マイナス金利の解除が追い風になるのはどんな銘柄か上の表を見てほしい。三井さんはまず、メガバンクをはじめとした銀行株を挙げる。金利の上昇により、本業である預貸業務の貸出金利と預金金利の差で得られる「利ざや」が改善し、収益の向上が期待できるためだ。

「今までのような利ざやがほとんどない状況から、今後は拡大基調に入ります。確かに、銀行株は日銀の政策変更への思惑などから、これまでにもすでに買われてきました。でも現時点ではまだ、数字として表れていない段階です。株価収益率(PER)や株価純資産倍率(PBR)といった投資指標をみても、株価はなお割安なので十分買っていいと思います」(三井さん)

円高が進む可能性

 国内では海外の生産拠点を戻したり、古くなった設備を改修・拡充したりする動きも目立つ。また半導体受託製造大手、台湾積体電路製造(TSMC)は2月に日本での初めての生産拠点、本工場(熊本県菊陽町)を開所した。同社工場はもちろん、関連企業の進出や地域インフラの整備など、周辺では大きな資金需要が見込める。こうした地域特有の需要や成長が見込めるところに地盤を置く地銀株なども狙い目という。

 円高のメリットがある銘柄にも注目だ。日銀の政策転換を引き金として円高が進む可能性があるためだ。円高で海外から調達する燃料代が減る航空会社はその一つ。海外旅行にも行きやすくなるため、経済再開後に回復基調が続く国際線需要がさらに押し上げられると期待される。

 原料であるパルプを輸入する紙・パルプメーカーも、円高は業績改善を後押しする。

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円高が過度に進むことは考えにくい