では「LIVゴルフ」の選手とPGAツアーの選手は、獲得賞金にどのくらいの差があるのか? 昨シーズンを例に挙げて比較してみる。
その前にまずは賞金総額を比べてみよう。2023年の「LIVゴルフ」は14試合の日程で4億500万ドル(約603億円)を用意していたが、対するPGAツアーは、ツアーへの貢献度を計るPIP(プレイヤー・インパクト・プログラム)の1億ドル(約149億円)を含め約5億6,000万ドル(約834億円)を用意。38試合という大会数もあるが、「LIVゴルフ」に対抗するための大幅な賞金増の影響で、PGAツアーの方が総額は大きかった。
昨年の賞金ランキングを見てみると、PGAツアーのトップ10合計(フェデックスカップのボーナスなども含む)は約2億1,000万ドル(約313億円)だったが、「LIVゴルフ」のベスト10合計は約1億4,700万ドル(約219億円)。プレーした大会数の差もあるが、こちらもPGAツアーが上回っている。
次に各ツアーで一番賞金を稼いだ面々を比較するとどうなるのだろうか?
昨シーズン、PGAツアーで最も稼いだのは世界ランク4位のビクトル・ホブラン(ノルウェー)だ。23年はザ・メモリアルトーナメント、BMW選手権、さらには最終戦のツアー選手権と3勝するなど23試合で約1,410万ドル(約21億円)を獲得した他、フェデックスカップ王者となり1,800万ドル(約26億8,000万円)のボーナスもゲット。さらにはPIPの500万ドル(約7億5,000万円)を加え、3,710万ドル(約55億3,000万円)をコース上で稼ぎ出した。
一方の「LIVゴルフ」はテーラー・グーチ(アメリカ)が個人戦13試合で1,730万ドル(約25億8,000万円)を獲得。さらに年間王者として1,800万ドル(約26億8,000万円)を受け取り、最終戦におけるチーム戦の配分80万ドル(約1億2,000万円)も加えると3,610万ドル(約53億8,000万円)とした。これはホブランに100万ドル(約1億5,000万円)及ばない数字となった。
しかし試合数で見ると、ホブランの23試合(2022-23シーズンのため2022年に開催された大会も含む)に対してグーチのそれは13試合。こうして見ると、「LIVゴルフ」の方がタイパは良いようだ。