「このときの女性ダンサーの衣装は、最初と違ってかなり露出度が高い感じでした。皆さん、お酒がかなり進んでいて、ダンサーが舞台で踊ってフロアに降りてくると、何人かはチップを口移しで渡したり、ボディータッチしたりしていました。私はびっくりしてあっけにとられ、場に合わせて手拍子する状態でした。藤原、中曽根両氏がうれしそうに拍手していたのは覚えています。止めるようなことはなかったです」(参加した地方議員)
また、別の地方議員は、
「『これは何だ』『大丈夫か』と言ってたばこを吸いに外に出た人や、『セクシーダンスじゃないのか』『党の会合でこの余興はどうなんだろうか』と和歌山県連に注意する人もいて、『ヤバイぞ』という雰囲気が出ていました。ただ、その日以降は何もなかったので、和歌山県連がうまく収めたのかと思っていたら……。案の定って感じです」
と渋い表情だった。
「動画を出してもらうぞ」
今回、懇親会から数カ月経って写真が表に出たが、この懇親会の情報は昨年11月末から出ていた。
ある和歌山県連幹部は、
「(懇親会後に)いろいろなところから連絡があり、『動画を出して報道してもらうぞ』と厳しく言う地方議員らもいた。そのときはなんとか抑えたが、今思うと和歌山県連で記者会見を開くなりして、先に公表して謝罪すべきだった」
と悔やむ。
和歌山県連は昨年4月の衆院補選で、衆院3期の実績がある候補が維新の新人に完敗した。その選挙のさなかに応援に入った岸田首相に手製の爆弾が投げつけられる事件があった。そして裏金問題では、和歌山県連の会長でもある二階俊博元幹事長と世耕弘成前党参院幹事長の2人が多額の裏金を受け取っていたことが発覚。二階派と安倍派は解散に追い込まれ、世耕氏は参院幹事長の座を追われた。
世耕氏は3月14日の参院政治倫理審査会(政倫審)に出席。裏金問題に加えて共産党の機関紙「赤旗 日曜版」が報じた、献金を受けている地元の有権者への高級クッキーの贈答についても追及された。