ある閣僚経験者は、
「岸田首相にとって和歌山は鬼門だ」
と話し、
「このまま収束しそうにない」
と続けた。
というのも、チップの口移しの写真は報じられているが、
「怖いのは動画が出たときでしょう。藤原氏ら参加していた国会議員が、今報じられている以上に女性ダンサーに触れているような場面が映っていてまた騒ぎになれば、岸田政権の支持率にさらに影響を及ぼしかねない。裏金問題の議員は政倫審が続き、処分もしなければならない。マイナスになることばかりだ」(前出の閣僚経験者)
藤原氏は、辞任の会見時に女性ダンサーの体に触っていないかと記者に質問され、
「当時の記憶では触っていない」
と非常に歯切れが悪い説明をしていた。
党内調査では触った事実は確認されていない
3月13日、国会の参院予算委員会でもこの問題が取り上げられた。立憲民主党の塩村文夏氏が藤原氏の件に触れ、岸田首相に、
「ダンサーを触っていないと言っているが、国民からは疑念の声が上がっている。ほかにも品性のない行いをした人はいなかったのか」
などと質問すると、岸田首相は党内で聞き取りをしているとし、
「調査によれば、藤原議員をはじめ、女性の身体を触ったという不適切な事実は確認されていないと報告を受けている」
と答えた。
塩村氏はさらに、自民党の関係者が動画を撮っているとして、「総理も確認すべきではないのか」などと動画の確認を促したが、岸田首相は動画は見ておらず、「写真で確認した」と述べた。
一方、懇親会の経費についての質問には、
「和歌山県連が主催し、経費を出していると承知しているが、公費は支払われていないと確認している」
とした。
県連には党本部からの政党助成金が入っている
和歌山県連の幹部がこう話す。
「懇親会の会費は一人5千円。それではすべてまかなえないので、県連も費用負担しています。県連には党本部から政党助成金がきているので、公費が入っていると指摘されても仕方ないです。今回の情報がなぜ今になって出たのかわからないが、これ以上、問題が大きくならないよう動画が出ないことを祈るしかない」
(AERA dot.編集部・今西憲之)