参院予算委に臨む岸田文雄首相=2024年3月13日

 昨年11月18日に和歌山市内であった自民党青年局近畿ブロックの議員らによる懇親会での“余興”は、支持率回復に苦心している岸田文雄首相にとって大きな痛手だ。こうしてみると、岸田首相と和歌山との相性はあまりよくないようだ。選挙応援で訪れた際には、爆弾を投げつけられたうえに候補者は負け。一連の裏金問題をめぐっては、県選出の2人の“大物”議員も絡んでいた。3月13日の国会では野党に追及され、防戦一方。そして、和歌山での過激ダンスショーの問題はまだ炎上する可能性があるという。何が隠されているのか。

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 肌の露出が多い過激な衣装の女性ダンサーに議員がチップを口移し……。

 自民党青年局は3月11日、ホームページ上で懇親会の経緯を説明するとともに、

<極めて不適切な内容の余興が開催県連青年局により企画され、実施されましたことは誠に遺憾であり、深くお詫び申し上げます。また、一部の参加者に品位に欠ける振舞いがあったものと承知しており、この点につきましても、心よりお詫びを申し上げます>

 とおわびし、懇親会に出席していた藤原崇青年局長、中曽根康隆青年局長代理の両衆院議員の役職辞任について報告した。

多様性を勘案して和歌山にゆかりのあるダンサーを

 また、今回の懇親会を企画し、女性ダンサーによる余興の趣旨について、

「多様性やインパクトなどを勘案して和歌山にゆかりがあるダンサーを招いた」

 と語っていた和歌山県連青年局長(当時)の川畑哲哉県議は、「不適切な行為があった」として離党届を出し、受理された。

 問題となっている余興は、青年局の近畿ブロック会議で研修などが行われた後の懇親会でのことだった。参加していたのは近畿2府4県の青年局所属の地方議員と、東京から来た藤原、中曽根両氏ら約40人。

 懇親会に参加した地方議員に話を聞くと、懇親会のプログラムには余興については書かれていなかった。乾杯の前後に音楽が急に流れ出し、5人の女性ダンサーが舞台で踊り出したという。その後、いったんダンサーはいなくなったが、酒席が盛り上がってくると再び登場し、舞台で踊り出した。

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今西憲之

今西憲之

大阪府生まれのジャーナリスト。大阪を拠点に週刊誌や月刊誌の取材を手がける。「週刊朝日」記者歴は30年以上。政治、社会などを中心にジャンルを問わず広くニュースを発信する。

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再び姿を現した女性ダンサーたちの衣装は……