自動化ゲートは、パスポートの読み取り、その後、顔認証へと進む(写真提供:パナソニック コネクト)

 世界の空港で自動化ゲートの設置が進んでいる。出入国審査のスピードアップが目的だ。日本は指紋認証ゲートからはじまり、現在の顔認証ゲートに進んだ。2017年に羽田空港に3台設置されて以来、順次、その台数は増えている。

 パスポートを機械が読み取り、次いで顔認証。日本人の場合、出入国でこのゲートを使うことが可能だ。出入国審査は簡素化され、かかる時間も短縮されたが、パスポートにスタンプは押されない。

 日本の場合、自動化ゲートを通過した先に1カ所、職員がいるブースがあり、そこにパスポートを出すと出入国スタンプを押してくれる。旅の記念という人もいて、ブース前に列ができていることもある。

スタンプが海外旅行保険にも影響

 筆者が今年1月、成田空港着で帰国すると、そのブースに注意書きが貼られていた。そこには、運転免許証の再取得や転入届、年金の合算対象期間の証明などスタンプが必要な項目が書かれていた。出入国在留管理庁の成田空港支局によると、顔認証ゲート導入時から掲示していたというのだが……。

 自動化ゲートを使い、スタンプがないパスポートにスタンプを押してもらうには手間がかかる。出入国在留管理庁で手続きをする場合は開示請求が必要になる。開示決定は30日以内とされている。

「出入国スタンプの場合、さすがに30日はかかりませんが、手作業ですからすぐには対応できません。利用した空港に出向いたほうが早いのでそちらを勧めています」(出入国在留管理庁)

 同庁の成田空港支局によると、空港内窓口が対応し、確認でき次第スタンプを押すという。

 出入国スタンプは海外旅行保険にもかかわってくる。旅行中のけがや盗難などが対象になる。その申請には出国日と帰国日が必要になる。

「自動化ゲートが増え、スタンプがない場合はEチケットや旅行の日程を証明できるもので代替できるようにしています」(三井住友海上)

 転入届には帰国日を特定しなくてはならない。スタンプがない場合は航空券の半券などで対応してくれることもあるようだが、スタンプがあったほうがはるかにスムーズに手続きはできる。

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台湾では30分待たされ