前期から今期、あるいは今期から来期にかけて改善している業種も期待が持てます。今はもう3月で今期も終盤に差しかかっていますから来期の変化に注目すると、今期予想は「減収減益」で業績サイクルの中で最も調子が悪い業種の一つの「化学」は、来期予想では「増収増益」に転じる見通しで、増益率は33業種中トップ。今後、注意して見ていきたいですね。

――今後は買われる対象が広がっていくと期待されていますが、すでに値上がりしている大型株に比べ、出遅れが指摘される中小型株はどう探したらよいでしょう。

 一つは、割安かどうか。自己資本比率が高く、株価純資産倍率(PBR)が低い企業に注目です。PBRだけでなく、自己資本比率にも目を向ける点がポイントです。私自身は自己資本比率70%以上、PBR0.8倍以下を目安にしています。

自分の投資スタイルを決める

 成長性を重視するなら、増収率が高いものを選ぶとよいでしょう。その場合、前期から今期、来期にかけて増収率が20%を超える銘柄を目安にしています。増収率20%が4年続くと売上高は約2倍になる計算です。

 こうした指標は電子版の『会社四季報オンライン』でスクリーニングできますから、自分でも手軽に探すことができます。大事なのはまず、自分の投資スタイルを決めることです。どんな点を重視するかによって注目する指標も変わってきます。

――どんな銘柄に期待していますか。

 実際に足を運んでみてすごいと思ったのは大阪大学発の再生医療ベンチャー、クオリプクスです。人工多能性幹細胞(iPS細胞)由来の心筋細胞シートを開発しています。患者の心臓にシートを貼ると弱っている心臓の動きが良くなり、心不全を予防できるそうです。25年大阪・関西万博にも出展する予定で、これから注目度も高まりそうです。

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