そのキャサリン妃が今年1月突然病に倒れた。入院発表は注意深く手術後のタイミングで行われ、病名は今でも明かされず、約3カ月という見通しの異例の長期療養中である。国民は、妃に「あまりに多くを期待したのではないか」と振り返った。このところ、英王室は大きな出来事が続いた。2022年9月にはエリザベス女王が亡くなり国葬が、2023年5月にはチャールズ国王(75)の戴冠式が、執り行われた。キャサリン妃は、いずれの機会でも話題の中心だった。ファッションはもとより、表情の一つ一つが世界に伝えられ、夫との会話はリップリーダーが読み解いた。子どもたちについても「しっかり者のシャーロット王女」「あどけないしぐさのルイ王子」などと、おおむね好意的ではあったが、万が一トラブルが起きれば「母親のしつけが悪い」と糾弾されただろう。妃のこのところの緊張感は尋常ではなかったはずだ。
キャサリン妃は反論できない立場
そこに、さらなるストレスが加わった。メーガンさん(42)だ。ヘンリー王子(39)と結婚前から、メーガンさんは妃になぜか挑戦してくる。結婚式で花嫁に付き添うフラワーガールの服装にしても、妃がロイヤルウェディングでは慣習として「白タイツをはく」とメーガンさんに伝えても、彼女は「大げさ」「暑苦しい」と頑強に否定、結局、妃ははかないことに同意せざるを得なかった。そのとき、妃は泣いてしまったそうだが、王室離脱後にオプラ・ウィンフリ―氏とのインタビューでメーガンさんは「それはウソ。泣かされたのは私。王室は将来の王妃を守るため私を悪役に仕立てた」と言ってのけた。またメーガンさんは、妃の結婚にあたって、「先祖に労働者階級の炭鉱作業員がいたことが問題視された」と発言している。こうしたことがあっても、反論ができない立場の妃はさぞつらかっただろう。
一方でヘンリー王子夫妻の離脱後は、2人が抜けた公務を引き受けるなど、忙しさも倍増した。