2月23日の天皇誕生日は、あいにく雨が降り厳しい寒さだったが、宮殿・長和殿のベランダに天皇、皇后両陛下、長女の愛子さま、秋篠宮ご夫妻、次女の佳子さまが立ち、集まった多くの人たちに笑顔で手を振られた。
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注目は、愛子さまに集まる。愛子さまが学習院大学卒業後、日本赤十字社に就職すると知ったときは、正直なところ驚いた。大学院進学か、イギリスのオックスフォード大学留学と信じ込んでいたからだ。なぜなら、天皇陛下は同大学で2年間ほど学ばれた。留学記『テムズとともに』を手に取れば、いかに貴重な経験であったかが伝わる。また、雅子さまは外務省時代に同大学に留学された。それなら愛子さまが行かないわけはないと思っていた。
しかし、愛子さまは、天皇家の長女として初となる研究職以外の就職をご自分で決めた。人を助ける仕事に就くのは長年のご希望だったという。愛子さまであれば同大学での学位取得も十分に可能だと思うし、日本文学の『源氏物語』などを欧米の大学講座などを通じて広めることも意義深いはずだが、それはまた先の楽しみなのかもしれない。
愛子さまという女性ロイヤルを大切にしたい
愛子さまの国民的人気は盛り上がる一方だ。穏やかな笑みの美しさや、たたずまいの優雅さはもちろん、それに加えて瞳には知的な輝きが宿っているように見え、スピーチにユーモアを巧みに挟む人間的なゆとりがある。
愛子さまのような女性ロイヤルが皇室に登場されたことを、私たちは大切にしたい。それは、英王室のキャサリン皇太子妃(42)の最近の様子を思い出すからだ。妃は、ウィリアム皇太子(41)と大学時代に知り合い、結婚。スポーツは、スキー、ホッケー、テニスとまさに万能。ウェストミンスター寺院でのクリスマスの集いでは、見事なピアノ演奏を披露した。料理の腕も確かで、得意料理を聞かれて「カレー」と答えたときは、さらに親近感が増した。3人の子どもを愛情深く育てる一方で国内の公務も外遊もそつなくこなし、そのたびにマナーや思いやりなどを絶賛される。もちろん、皇太子との仲もよい。彼女は「パーフェクト・ケイト(完璧なケイト)」と呼ばれた。