宇賀なつみさん(撮影/写真映像部・上田泰世)

人生のハンドルを自分で握れる

「たくさん稼いでやろうと思って辞めたわけではないんです。そう考えたのであれば、ほかのやり方があったと思いますから。数年頑張ってみてダメだったら、どこか雇っていただけるところで、またゼロから始めようと思っていました」

 もっとも重視したのは、「自分で生き方を決めることができるかどうか」だったという。

「テレ朝に入ることができて幸せだったことは間違いないのですが、どの番組を担当するかとか、勤務する時間とかは自分では決められないですよね。会社ってそういうものですけど、ある日、物事が急に決まる、上から仕事が下りてくる。その中でいかに咲くかというのが会社員の仕事だと思うんです。一方で、フリーランスは全て自分で決める。何をしようと自由です。その結果、仕事がなくなったり、必要とされなくなったりすることもあります。会社員のように保証はないですから、安定はないです。それぞれメリット、デメリットはありますけど、私としては、良いことも悪いことも全て自分の責任になるいまの生き方のほうが、圧倒的に肌になじんでいるなっていう感覚があります。人生のハンドルを自分で握れるようになって、今やっとなりたかった自分になれた気がします」

(AERA dot.編集部・唐澤俊介)

※【後編】<宇賀なつみさんが感じる「アナウンサーの働き方」の変化 「具合が悪い、つらいですと言いやすくなった」>に続く

著者プロフィールを見る
唐澤俊介

唐澤俊介

1994年、群馬県生まれ。慶應義塾大学法学部卒。朝日新聞盛岡総局、「週刊朝日」を経て、「AERAdot.」編集部に。二児の父。仕事に育児にとせわしく過ごしています。政治、経済、IT(AIなど)、スポーツ、芸能など、雑多に取材しています。写真は妻が作ってくれたゴリラストラップ。

唐澤俊介の記事一覧はこちら
暮らしとモノ班 for promotion
防災対策グッズを備えてますか?Amazon スマイルSALEでお得に準備(9/4(水)まで)