宇賀なつみさん(撮影/写真映像部・上田泰世)

人生のハンドルを自分で握れる

「たくさん稼いでやろうと思って辞めたわけではないんです。そう考えたのであれば、ほかのやり方があったと思いますから。数年頑張ってみてダメだったら、どこか雇っていただけるところで、またゼロから始めようと思っていました」

 もっとも重視したのは、「自分で生き方を決めることができるかどうか」だったという。

「テレ朝に入ることができて幸せだったことは間違いないのですが、どの番組を担当するかとか、勤務する時間とかは自分では決められないですよね。会社ってそういうものですけど、ある日、物事が急に決まる、上から仕事が下りてくる。その中でいかに咲くかというのが会社員の仕事だと思うんです。一方で、フリーランスは全て自分で決める。何をしようと自由です。その結果、仕事がなくなったり、必要とされなくなったりすることもあります。会社員のように保証はないですから、安定はないです。それぞれメリット、デメリットはありますけど、私としては、良いことも悪いことも全て自分の責任になるいまの生き方のほうが、圧倒的に肌になじんでいるなっていう感覚があります。人生のハンドルを自分で握れるようになって、今やっとなりたかった自分になれた気がします」

(AERA dot.編集部・唐澤俊介)

※【後編】<宇賀なつみさんが感じる「アナウンサーの働き方」の変化 「具合が悪い、つらいですと言いやすくなった」>に続く

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