「環境も新しいし、自分も30歳を迎えます。だからこそ、自分がずっと座右の銘にもしている“挑戦”する年にしたいと思います」
【写真】史上最年少14歳で代表入り 日本AS界の期待の新星がこちら
その言葉通り、瀬戸大也(CHARIS&Co.)は挑戦し続けてきた。世界一に、連覇に、2冠に、そして五輪での頂点に。そのほとんどは手にしてきたが、挑戦が実らなかったのが、五輪での優勝である。
選手たちは、良く言う。「世界水泳選手権と五輪は違う」と。それは瀬戸にも当てはまる。
2年に一度開催される、いわゆる水泳競技の世界一決定戦であるWorld Aquatics(旧FINA)が主催する世界水泳選手権での瀬戸の存在感は大きい。
2013年のスペイン・バルセロナ大会では、下馬評を覆して400m個人メドレーで初優勝。続く2015年のロシア・カザン大会では400m個人メドレーで日本人初となる連覇を達成。2017年のハンガリー・ブダペスト大会では、400m個人メドレーの3連覇はならなかったが銅メダルを獲得。加えて200mバタフライでも銅メダルを獲得し、2019年の韓国・光州大会では200m、400m個人メドレーで日本人初の2冠を達成。200mバタフライでも銀メダルを手にし、まさに無双状態であった。
悔しさにまみれた東京五輪を経て、2022年のハンガリー・ブダペスト大会では200m個人メドレーで銅メダル。2023年福岡大会は400m個人メドレーで銅メダル。そして今年、2024年2月のカタール・ドーハ大会でも400m個人メドレーで銅メダルを獲得した。
2013年の初優勝から数えて、実に7大会連続で世界水泳選手権ではメダルを獲得し続けた。
思い通りに泳げたかそうではないかの差はあるにせよ、世界水泳選手権では、驚くほどの結果を残し続けているのである。
一方で、五輪では悔しさばかりが残るレースが続いている。
2012年、ロンドン五輪は200m、400m個人メドレーの2種目で派遣標準記録を突破していながら、両種目とも3位となり代表入りを逃した。