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メンタルの不調による休職者や退職者を減らすために「企業にできる対策」はたくさんあります。特に不調を抱える従業員にもっとも近い存在である上司はキーパーソンです。心の病気の早期発見、対策のために会社や管理職にできる対策について理解するため、週刊朝日ムック「手術数でわかる いい病院」編集チームが取材する連載企画「名医に聞く 病気の予防と治し方」からお届けします。「職場のメンタルヘルス」全3回の2回目です。

【箇条書き】産業医がすすめる「部下に対する理想的な上司の態度」はこちら

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 仕事における強いストレスが原因で、メンタルヘルス不調をきたし、心の病気を発症する人が増加しています。

 1991年、大手広告代理店・電通の社員(男性、24歳)が、慢性的な長時間労働の末、うつ病を発症し、入社してから1年5カ月後に自殺に至り、遺族である両親は会社に対して損害賠償を請求しました。最高裁判決では、職場の業務と自殺の因果関係が認められ、さらに、会社に対して「慢性的な長時間労働に従事していることや、健康状態が悪化していることを認識しながら、その負担を軽減させるような措置を取らなかった」として、会社の注意義務違反を認めました。(厚生労働省 働く人のメンタルヘルス・ポータルサイト「こころの耳」)

 公的機関や民間企業で30年以上にわたり、産業医業務に従事している京都大学名誉教授の川村孝医師は、

「この男性は『自信がない、眠れない』と上司に訴えていたほか、異常行動もみられるなど明らかに周囲が気づくメンタルの不調がありました。電通では2015年にも24歳の女性が過労やハラスメントによって、自殺しています。会社には労働者の安全を守るための『安全配慮義務』が課せられています。最悪の事態を避けるためにも、管理職は部下のメンタルヘルスについて、日ごろから気を配ることが重要です」と話します。

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メンタルへルスの問題は企業の経営問題