小中高と大分の公立校で学び、米・ハーバード大学、ジュリアード音楽院を卒業・修了したバイオリニストの廣津留すみれさん(30)。その活動は音楽だけにとどまらず、大学の教壇に立ったり、情報番組のコメンテーターを務めたりと、幅広い。「才女」のひと言では片付けられない廣津留さんに、人間関係から教育やキャリアのことまで、さまざまな悩みや疑問を投げかけていくAERA dot.連載。今回は、廣津留さんの“片付け思考”について聞いてみた。
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Q. ミニマリストに憧れます。廣津留さんは断捨離をすることはありますか。掃除や片付けの考え方について教えてください。
A. もともと物は少ないほうですけど、日本に帰国してから4年ほどしか経っていないこともあって、断捨離をする機会はまだないんですよね。
ただ、見えるところに物が雑然とあると気になってしまうので、こまめに片付けるタイプです。きれいにしていたほうが集中力は上がりますね。捨てられるものは捨てて、捨てられないものは引き出しの中などに収納して見えないようにする。そうしないと「片付けなきゃ」という意識が邪魔をして、集中できなくなっちゃうんです。そういう点では、例えばハイチュウとかが一つだけ残っている状態なんかも気になって、いま食べたいわけじゃなくても食べちゃうくらい(笑)。
断捨離をするにしても一気にやるより、いらないものは気が付いたときにちょっとずつ捨てるのが大事だと思っています。私は一日のやることをいつもToDoリストに書き出しているのですが、この項目が増えちゃうのが嫌なんです。掃除や片付けを後回しにしてまとめてやろうとすると時間もかかるからリストに入れざるを得ないけど、できることは少しずつ即実行しておけば、ToDoリストに書かなくて済みますよね。
ルーティンとしては、掃除機かけと洗濯だけ朝にやっておき、あとは気が付いたときにちょっとずつという感じ。朝、コーヒーメーカーでコーヒーをいれている間に掃除機をかけて洗濯機を回し、その間に朝ご飯を食べる。食べ終わったら洗濯物を干して食器を洗って、そこから仕事なり自由時間なり、私の1日が始まるという感じです。どれも複雑に考えながら作業するわけではないので、こうやって自分の中で流れをシステム化しておくと、部屋もきれいに保てるし、心身ともに活動モードへとスムーズな切り替えができます。朝が苦手な人なら、おいしいコーヒー豆を買っておくなど、ちょっとした自分へのご褒美を用意しておくと、モチベーションが上がるのでおすすめです。