「どのクルマを買うのか」だけでなく「どの店から買うのか」も重要

 輸入車を中古で購入するにあたっては、「どの店から買うのか」も大事なポイントです。近年は、正規ディーラーとつながっている認定中古車(アプルーブドカー)店が増えていますが、これらは正規輸入車ディーラーで下取りをして、車両チェックやメンテナンスを受けた高品質の中古車を扱っている店ですので、安心感は抜群です。

 ネットの中古車検索サイトで、こうしたお店のクルマを見てみると、車両購入費が相場よりも高くなっていることがあります。ですが、以後心配のないカーライフを送るには、できるだけ信頼できる店舗から買うことがおススメです。

 正規ディーラーではない、小さな中古車店で輸入車を購入する場合は、購入総額の中に「納車前メンテナンス」と「手厚いアフターサービス」がある店を選びたいところ。筆者が以前、総額100万円程の中古フランス車(7年落ち)を購入した際は、その販売店で展示されているクルマの台数や車種、販売店の評判などまで下調べをしたうえで、店舗に出向いてクルマを確認。消耗品の交換、故障しやすい箇所の説明、万が一故障したときの費用など、納車前のメンテナンスの手厚さを把握したうえで、購入を決めました。

 ほかのクルマよりも20万~30万円ほど総額が高くなりましたが、激安中古車には「激安になっている理由」がどこかにあります。これは国産車にもいえることなのですが、「憧れのクルマがこんなに安く買える!」と飛びついた挙げ句、修理費が高くついてしまっては元も子もありません。そうならないよう、「メンテナンスされた良質なクルマを信頼できそうな店から買う」というのが幸せなカーライフに近づく第一歩です。

 もしかすると、クルマを「単なる移動手段としての道具」だと考えている人がいるかもしれません。ですが、せっかくクルマに乗るならば、やはりクルマそのものの魅力や、今回解説した「選ぶ楽しさ」を味わってもらいたいと思います。

 運転操作自体に魅力を感じられなかった人も、お気に入りのクルマを手に入れれば移動が楽しくなるはず。現時点では運転に不慣れでも、気にし過ぎる必要はありません。可能であるならば、ぜひ憧れの“外車”を手に入れて、その相棒と一緒に運転スキルを伸ばしていってください。

(吉川賢一:自動車ジャーナリスト)

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