輸入車は国産車よりも修理に「時間とお金」がかかる
ただ、レバーの操作などは、乗っているうちにすぐになじむでしょう。初心者はそれよりも、「輸入車は国産車よりもトラブルが多く、その修理に『時間とお金』がかなりかかる」ということを覚悟しておく必要があります。
近年のクルマではあまりないようですが、2000年代ごろまでの輸入車は、電子制御(電制)サスペンションや電制ステアリングといった電装系が弱いという印象です。
具体的には、エンジン故障の警告ランプが消えない、トランスミッションから異音が出た、サイドウインドウが上下しなくなった、電制サスペンションに不具合が出た、などのトラブルがよくあったそうです。日本で多く売れているフォルクスワーゲンやアウディに多いDCT(デュアルクラッチトランスミッション/変速機構の一種)も、異音や動作不良のトラブル事例がよくありました。
もちろん国産車でもトラブルはなくはないですし、近年は輸入車でもこうしたトラブルが少なくなってきました。しかし、いざトラブルが生じた場合は、輸入車の場合は部品が国内にない場合もあります。取り寄せや修理に時間がかかるうえに、お金も余計にかかることが多いです。国産車よりも手間とお金がかかるということは覚悟しておく必要があります。
中古の輸入車は7年落ち以内が安全
ここからは、輸入車を中古で買うときの注意点をお伝えしていきます。もちろん予算がある人は新車を買っていただければと思いますが、コストの観点から、やはり初心者が手を出しやすいのは中古車です。
とある中古車買い取り専門店によると、状態の良さや運転しやすさなどの観点から、中古の輸入車は「7年落ち(2024年だと2017年式)以内」を狙うのが安全だそう。
具体的な車種としては、予算100万~200万円ならばフォルクスワーゲンの先代ポロや先代ゴルフがおすすめです。厳密には大衆車寄りのモデルではありますが、「とにかく“外車”に乗ってみたい!」という人にはうってつけの車種になります。
より高級感を求める場合は、メルセデスの先代Aクラスや先代Bクラスが有力な選択肢です。BMWの先代1シリーズもよいでしょう。他のメーカーでは、ルノーの先代トゥインゴ、先代ルーテシア、先代カングー。そしてプジョーの先代208あたりをおすすめします。
予算200万~300万円ならば、メルセデス先代Cクラス、BMW先代3シリーズなども候補としていいでしょう。
これらはボディサイズが大きすぎず、また、メカニズムも複雑すぎないため、万が一故障しても修理費を抑えられる可能性があります。国内で乗っている人が多いために、トラブルシューティングのやり方や修理費用など、情報が手に入りやすいということも、初心者の人におすすめできる理由です。