トラブルは自ら蒔いた種で移籍も自分で選んだ道。周囲から求められるものは多く、実現できなければ容赦ない批判に晒されるはず。「精神的に強くないタイプ」(元西武担当記者)という声もあるだけに重圧に打ち勝てるかどうかは気になるところでもある。
また、山川の移籍に伴い、一時は人的補償で西武に移籍することが報道された和田のパフォーマンスにも多くの人が注目している。
「和田に関しては精神面が心配される。プロ入り以来チームの勝利のため黙々と投げ続けてきただけに、球団側の自らへの評価に失望したはず」(ソフトバンク担当記者)
最終的に人的補償としては甲斐野央が西武に移籍することとなったが、交渉過程において和田が引退を口にしたともされ、大きな騒動となった。
「(和田は)1度はメジャー挑戦したが再び戻ってきた。ホークス(ダイエーを含む)愛は誰よりも強いが、球団側とお互いを思う気持ちの違いが明確となった。『投手としてやり切った』と感じれば気持ちが切れてもおかしくない」(和田をアマチュア時代から知るスポーツライター)
「人的補償が甲斐野となり『和田のゴネ得』とネット上で炎上したのもショックだったようだ」(上記のスポーツライター)とモチベーションの低下も気になるところ。今年で43歳のベテラン左腕は精神的支柱でもあり、昨年はチーム2位となる8勝を挙げているだけに、様々な部分で悪影響がでないか心配ではある。
「甲斐野の動向もソフトバンクには多くの影響を与えそう。2018年のドラフト1位で投手陣の柱として期待されていたほどの素晴らしい素材。西武で活躍されてしまったら編成部の失態にもなる」(ソフトバンク担当記者)
甲斐野は最速160キロの速球を武器に1年目から65試合に登板。右肘の故障に悩まされた時期もあったが、昨季は46試合に登板して防御率2.53を記録、西武ではセットアッパーとしての起用が有力だ。
FA移籍に関連して騒動の中心となった山川、和田が苦しむ一方、人的補償で移籍の甲斐野が新天地で活躍。さらに、それがチームの成績にも反映されるようなことがあれば、ソフトバンクにとっては“最悪のシナリオ”とも言えるだろう。
「素晴らしい投手なのでプロテクトから外していたのは、ありがたかった。上位進出にはソフトバンクを叩くことが重要。西武は以前は福岡のチームだったので両球団間には今も遺恨がある。甲斐野がキーマンとなって暴れて欲しい」(西武関係者)