Jリーグ開幕を今週末に控え、サポーターは期待と不安の1週間を過ごしている。J1の優勝争いはもちろん注目だが、J2の戦いからも目が離せない。昨季は町田と磐田、東京Vの3クラブがJ1昇格を果たし、特に15年連続のJ2暮らしだった東京Vが「J2沼」から抜け出したことは大きなトピックとなった。果たして今年の“沼具合”はどうだろうか。
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期待は、東京Vと同じくJ発足時の「オリジナル10」の一員である千葉だ。2010年から数えて今季で15年連続のJ2暮らしを迎える。その間、J1昇格プレーオフに5度(2012~14年、17年、23年)進んだが、いずれも敗退した。だが、2018年から14位、17位、14位、8位、10位と低迷期が続いた中、昨季は6位。新たに就任した小林慶行監督のもとでシーズン序盤の低空飛行から後半戦は盛り返し、8月19日の第31節から怒涛の7連勝を飾って6年ぶりの昇格プレーオフ進出で手応えを掴んだシーズンになった。
そのチームから、7得点を挙げた背番号10の見木友哉、期待の若手SBだった西久保駿介らが抜けたが、新たにパリ五輪世代のGK藤田和輝(←新潟)、高い攻撃センスで新司令塔として期待のMF横山暁之(←藤枝)、様々なポジションに適応可能な万能MFエドゥアルド(←磐田)らが加入。昨季13得点を挙げてJ2のベストイレブンにも選出された新10番FW小森飛絢は、まだ23歳と成長過程で今季のさらなる爆発が期待できる。何より、小林監督が苦労しながらも築き上げてきた組織力が今のチームにはある。2月18日に行われたプレシーズンの「ちばぎんカップ」では、J1の柏相手に2-1の堂々たる勝利。昨季の自信と今季の仕上がり。東京Vに続いての“J2沼”脱出への機運は高まっている。
今季がJ2連続9年目となる山形もチャンスがありそうだ。2019年以降、J2でひとケタ順位をキープして来た中、昨季は4月にクラモフスキー監督から渡邉晋監督へと指揮官交代の誤算があったが、5月以降にしぶとい戦いで白星を奪って最終的に5位で昇格プレーオフに進出した。最終的に清水と0-0ながらシーズン順位が下位のために敗退となったが、千葉同様に新シーズンに繋がる戦いだったことは間違いない。