「うちもまた徳島県のように」
岩手県花巻市のX公式アカウントが凍結されたのは、昨年7月17日のことだった。
「夜10時ごろ、X社から『スパム行為の禁止に違反しているので、アカウントを凍結します』というメールが送られてきた」
と市広報情報課の職員は振り返る。しかし、市としてはスパム行為をした認識はなく、具体的にどの投稿がスパムに該当したのかもわからなかったという。
その2日前、梅雨前線が東北北部まで北上して大雨警報が発表され、市は避難情報をXで伝えていた。
「複数回、同じ内容を発信したので、それがスパムと判定されたのかもしれません。ただ、そのようにX社から指摘されたわけではなく、推測でしかありません」
市はX社に対して異議申し立てをしたところ、凍結は7月21日午前0時に解除された。
大分県佐伯市の公式Xアカウントが凍結されたのは、花巻市と同じ昨年7月17日~21日だった。
そのため、市秘書広報課の担当者は「Xのシステムの問題ではないか」と疑う。
しかし、アカウントが凍結された際、X社から送られてきたメールには「プラットフォームの悪用とスパムを禁止するルールに違反」と書かれていた。さらに、凍結が解除された際のメールには、凍結の原因として「攻撃的な大量の一方的な送信、同じ内容の投稿と削除を繰り返すこと」とあった。ただ、具体的にどの投稿がそれに当たったのかは、今もわからないままだという。
「市のホームページを更新すると同時に、その情報がXに投稿されます。それが『同じ内容』であると判定された可能性はあります。ただ実際は、毎回違う内容をXでお知らせしています」
と担当者は困惑する。そして、徳島県の公式アカウントが2度にわたって凍結されたことに、不安を口にした。
「根本的な凍結の原因がわからないままXを使い続けていたら、うちも徳島県のように、再び凍結されてしまう可能性があります。いざというときに、情報をお伝えできない事態になるかもしれないことを考えると、正直、苦しい」