ゆっくりしたウォーキングがおすすめ(※写真はイメージです Getty Images)

 多くの不調や病気を招く自律神経の乱れ。その要因として、ストレスや睡眠不足がよく挙げられるが、実は加齢も大きく関わっている。毎日を楽しく生きるためには、いかに自律神経を若くキープするかがカギを握る。自律神経の老化を防ぐにはどうすればいいのか。自律神経研究の第一人者である小林弘幸医師の新著『老後をやめる 自律神経を整えて生涯現役』(朝日新書)から一部を抜粋、再編集して解説する。

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食事、睡眠、運動……一番大切なのはどれ?

 自律神経の老化を防いで、若々しくいるためには、食事・睡眠・運動の3点が重要になります。

 当たり前のことだと思う人もいるかもしれませんが、では、この3つのうちどれがいちばん重要か、答えることはできますか?

 答えは「運動」です。なぜなら、「動かない」は「食べられない」「眠れない」に直結するからです。

 とくに定年を迎えると、運動量がガクッと減ります。意識して動くようにしないと、「今日も一日、一歩も外に出なかった」なんて毎日を送ることになりかねません。

 動かなくなると、どんなことが起こるでしょうか?

 まず、お腹がすかなくなります。

 ただでさえ年をとると基礎代謝が落ちるので、必要とするカロリーは少なくなります。そのうえ動かなかったら、体が食事を必要としなくなるのは当然です。

 年をとっていても、体を動かしている人はたいていよく食べるものです。冒険家でプロスキーヤーの三浦雄一郎さんはお肉が大好きで、1~2週間に一度は600~800グラムのステーキを食べるそうです。

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小林弘幸

小林弘幸

小林弘幸(こばやし・ひろゆき) 順天堂大学医学部教授。日本スポーツ協会公認スポーツドクター。1987年、順天堂大学医学部卒業。92年、同大学大学院医学研究科修了。ロンドン大学付属英国王立小児病院外科などの勤務を経て順天堂大学小児科講師、助教授を歴任。腸と自律神経研究の第一人者。『医者が考案した「長生きみそ汁」』など著書多数。テレビなどメディア出演も多数。

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意識して動くことを心がける