ならば、結局何がいいのか。

 考えあぐねて行き着いたのが「心地よさ」を基準にすることです。

「衣」……自分が着心地がいい

「食」……自分が心身とも調子がいい

「住」……自分が過ごしやすい

 いずれも「自分」が中心です。

 よくあちこちで「“なぜか”いつも使うのは某パン祭りのお皿」という話を伺います。皆さん口を揃えて「“結局”一番使いやすい」と言うのです。

 私はシンプルに「パン祭りのお皿、すごく使いやすくて気に入ってる!」でいいんじゃないかと思うのですが、どうも世間では、お気に入り=なんかもっと小洒落たものであるべし、という認識の方が多いようです。

 私は、それは心の声を無視しているのでは……と思います。

 衣食住の満足度は、こうした「なんだかんだ気に入ってる」ということが一番大事なのに、このことを否定してくるどこかからの「優しい圧」に邪魔されている気がするのです。

 例えば、「少々背伸びして買った北欧製のお皿」と「気兼ねなく使えるパン祭りのお皿」。

 片方だけ手元に残すとしたら、どちらを選びますか?

 選択肢としてみると、このような感じでしょうか。

 選択肢1 「少々背伸びして買った北欧製のお皿」を残して、お皿に似合う暮らしにする

 選択肢2 自分には馴染まなかったな……と「少々背伸びして買った北欧製のお皿」を手放す

 多くの人は、選択肢1を選ぶのではないでしょうか。

 どこからともなく、北欧製=おしゃれ、パン祭りの皿=非おしゃれ、という圧が発生しているからです。

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某パン祭りか後の祭りか