一方の門別は二軍で12試合に登板して2勝2敗2セーブ、防御率2.78と結果を残し、シーズン終盤には一軍でも先発を経験。初勝利こそ逃したものの、9月30日の広島戦では5回を投げて無失点と好投を見せている。秋季キャンプを視察した岡田彰布監督も、かつてのエースである井川慶より上と話しており、開幕ローテーション候補の1人に挙げるほどだ。広島、阪神ともに先発ローテーション争いは激しいだけに一軍定着は簡単ではないと思われるが、昨年のWBCでも宮城、佐々木朗希(ロッテ)、高橋宏斗(中日)など若手投手が躍動しただけに、この2人も彼らに続くことは十分に考えられるだろう。
野手で大きなポイントとなりそうなのが源田壮亮(西武)の後釜となるショートである。昨年のWBCでも源田が右手を骨折してベンチに下がった時に、不安を感じたファンも多かったはずだ。2026年に源田は33歳となるだけに、後継者候補を今から発掘する必要があるだろう。そこで名前を挙げたいのが門脇誠(巨人)と宗山塁(明治大)の2人だ。門脇は昨年、ルーキーながらシーズン終盤には坂本勇人に代わってショートのレギュラーに定着。度々素晴らしい守備を見せてチームを救った。
打撃も春先はプロの投手に苦しんだが、夏場以降に大きく成績を伸ばしている。サード、セカンドも高いレベルでこなせるユーティリティさも大きな武器だ。宗山は3月の強化試合にも召集されることが明らかになっている今年のドラフトの目玉。フットワーク、ハンドリング、スローイング全てが高レベルで、今プロに混ざってもトップクラスの守備力を誇る。打撃も確実性とパンチ力を備えており、東京六大学で既に94安打、8本塁打を放っている。門脇は昨年のアジアプロ野球チャンピオンシップで大活躍を見せただけに、3月の強化試合では宗山も攻守にわたる活躍を見せてくれることを期待したい。
野手でもうひとつ気になるポジションが捕手だ。昨年のWBCで主にマスクをかぶった甲斐拓也、中村悠平はいずれもベテランとなっており、こちらも世代交代が必要である。打てる捕手という意味ではアジアプロ野球チャンピオンシップにも出場した坂倉将吾(広島)が若手の筆頭候補となるが、もう一人期待したいのが日本ハムのドラフト2位ルーキーである進藤勇也だ。