昨年はワールド・ベースボール・クラシック(WBC)優勝に沸いた侍ジャパン。10月に井端弘和監督が新たに就任すると、若手中心のメンバー構成というレギュレーションで行われた11月のアジアプロ野球チャンピオンシップも優勝。今年3月に予定されている欧州選抜との強化試合では大学生4人が招集される見込みと言われており、11月のプレミア12、さらには2026年開催予定の第6回WBCに向けて新戦力をいかに発掘していくかが重要になりそうだ。そんな中で昨年のWBCには選ばれなかったものの、次回のWBCでは主力として期待できそうな選手を探ってみたいと思う。
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投手で真っ先に名前が挙がるのはやはり山下舜平大(オリックス)だろう。昨年は山本由伸(現・ドジャース)と宮城大弥がWBCに出場していたこともあって、プロ初登板が開幕投手という大役を任されると、シーズン終盤には故障で離脱したものの16試合に先発して9勝3敗、防御率1.61という成績を残し、新人王にも輝いた。先発投手として長いイニングを投げながらもストレートの平均球速は150キロ台中盤に達し、大きく変化するカーブと鋭く落ちるフォークで三振を奪う投球は迫力十分だ。自主トレでも既に150キロを超えるスピードをマークしていると報道されており、昨シーズン終盤に痛めた腰の回復具合も順調だ。今年は1年を通じてローテーションを守ることができれば、投手タイトル争いに加わってくる可能性は高いだろう。
セ・リーグの投手では昨年ブレイクした村上頌樹(阪神)、山崎伊織(巨人)なども有力候補となるが、彼ら以上のポテンシャルを秘めているように感じるのが斉藤優汰(広島)、門別啓人(阪神)のいずれも北海道の高校からプロ入りして今年が2年目となる2人だ。
斉藤は昨年、二軍で5試合に登板して0勝1敗、防御率4.02とそれほど目立った成績を残したわけではないが、シーズン終盤に先発したソフトバンクとの2試合は5回無失点、7回2失点といずれも好投。ストレートは度々150キロを超え、コントロールも春先と比べて明らかに安定するなど、驚きの成長ぶりを見せた。この好投もあって、春季キャンプでは一軍メンバーにも抜擢されている。