これまでの愛子さまを振り返ると、ところどころで福祉との接点が見えてくる。
思い出されるのは、学習院大が毎年開催する「オール学習院の集い」だ。愛子さまは毎回、「アイメイト協会」が主催するブースに必ず立ち寄り、盲導犬(アイメイト)と歩く体験をしていた。
そして中学1年生のときに書いた小説「看護師の愛子」。ある日突然、海に流された診療所で、動物や魚などの診療に奮闘する主人公の姿を描いたもので、この作品は翌年に学習院の『生徒作品集』に掲載されて話題を集めた。
「公務の状況をみながら」と日赤
愛子さまの就職内定が「嘱託職員」という形態となったのは、公務との両立を踏まえてのことのようだ。
では愛子さまは、週に何日ほど勤務するのだろうか。日赤本社広報室にたずねると、「ご公務等の状況をみながら対応していくことになろうかと思います」との回答で、公務とのバランスをとっての勤務となりそうだ。
先の山下さんは、愛子さまが公務に臨むことは、皇族数の減少と高齢化が進む皇室にとっても国民にとってもありがたいこと、と話す。
「愛子内親王殿下は、天皇家の内親王として両親を支えたいというお気持ちも強いのだと思います。両陛下も心強く思っておられることでしょう」
宮内庁によれば、愛子さまは新型コロナへの対応や災害救護活動などへの関心も高く、日赤の活動に携わることで少しでも社会に貢献をしたいとの気持ちから勤務を希望したという。
それでは愛子さまは、災害救援活動などにかかわる分野の仕事に就くのだろうか。
愛子さまの仕事内容についてはまだ詳細が固まっていないのか、「今後決めてまいります」と日赤広報室。
いずれにせよ、成年皇族で最も若い愛子さまだけに、公務の要として期待は集まる。
「ご関心の強い福祉の分野で実務経験を積み、その経験を生かして、皇族として人々や社会のために活動されることでしょう。そしてそのご活動は、被災地の訪問など、常に国民に寄り添ってこられた両陛下の助けになることは間違いありません」
そう山下さんは期待を寄せる。
(AERA dot.編集部・永井貴子)