ソフトバンク・リチャード
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 プロ野球のキャンプインも近づき、各球団で一軍、二軍などのメンバー分けも発表される時期となってきた。この時期にルーキーとともに注目されるのが若手のブレイク候補だが、中には毎年名前が挙がりながらもなかなか殻を破れない選手も存在している。今回はそんな今年こそ“期待の若手”から卒業してもらいたい選手についてピックアップして紹介したいと思う。

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 まずこのテーマに最も当てはまる選手といえるのがリチャード(ソフトバンク)ではないだろうか。2017年の育成ドラフト3位でのプロ入りながら、3年目の2020年に支配下登録されると二軍で12本塁打、47打点をマークして二冠王を獲得。翌2021年には一軍デビューを果たし、34試合の出場で7本塁打と長距離砲としての片鱗を見せた。

 しかしそれ以降の2年間は3本塁打、0本塁打と成績を落とし、いまだに一軍定着を果たすことができずにいる。2022年はウエスタン・リーグ記録となる29本塁打を放つなど、二軍では既に通算72本塁打を記録しており、パワーに関しては間違いなくチームでも屈指である。しかしその一方で二軍でレギュラーとなった2020年以降の打率を見てみると.229、.226、.232、.225と確実性に改善の兆しが見られないというのが気になるところだ。

 また今年からチームには山川穂高がフリーエージェント(FA)で西武から加入しており、レギュラー争いはさらに厳しい状況となっている。期待の若手と言われ続けながら今年で25歳と、年齢的にも中堅に差し掛かっているだけに、今年こそは何とか一軍で誰もが認めるような結果を残す必要がありそうだ。

 リチャードと同じ野手でそろそろ一軍で結果が欲しいのがともに2019年に高校からドラフト2位でプロ入りした黒川史陽(楽天)と井上広大(阪神)の2人だ。黒川は1年目からイースタン・リーグで6位となる打率.297をマークすると、2年目には一軍でもプロ初本塁打も放っている。

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西尾典文

西尾典文

西尾典文/1979年生まれ。愛知県出身。筑波大学大学院で野球の動作解析について研究し、在学中から専門誌に寄稿を開始。修了後も主に高校野球、大学野球、社会人野球を中心に年間400試合以上を現場で取材し、AERA dot.、デイリー新潮、FRIDAYデジタル、スポーツナビ、BASEBALL KING、THE DIGEST、REAL SPORTSなどに記事を寄稿中。2017年からはスカイAのドラフト中継でも解説を務めている。ドラフト情報を発信する「プロアマ野球研究所(PABBlab)」でも毎日記事を配信中。

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黒川、井上ともに一軍では苦戦