その後も二軍では毎年打撃タイトル上位に名を連ね、昨年もイースタン・リーグトップの104安打を放ち、打率.307と見事な成績を残したが、一軍では4年間で通算32安打にとどまっている。巧みなバットコントロールとパンチ力には定評があり、将来の中軸候補として期待は大きいものの、一軍の壁をなかなか越えられないでいるのが現状だ。長年チームを支えてきた銀次が昨シーズン限りで現役を退き、鈴木大地、茂木栄五郎などが成績を落としているだけに、今年は開幕からアピールして一軍定着を目指したい。

 一方の井上も過去4年間で二軍で通算40本塁打を放っているように、そのパワーはチームの若手の中では間違いなくトップである。ただ、リチャードと同様に確実性が大きな課題となっており、昨年はルーキーの森下翔太が外野のレギュラーに定着したこともあって、なかなか一軍定着を果たせずにいる。森下と同学年で育成から支配下を勝ち取った野口恭佑や、年齢が下の前川右京、井坪陽生などライバルとなる選手は増えてきているだけに、そろそろ二軍の主力は卒業したいところだ。

 投手でこのテーマの筆頭格として名前を挙げたいのが渡辺勇太朗(西武)だ。2018年のドラフト2位でプロ入りすると、3年目の2021年には一軍で4勝をマークしてブレイクの兆しを見せている。しかし、それ以降の2シーズンはいずれも1勝にとどまり、期待通りの成績を残すことができていない。191cmの長身でストレートはコンスタントに150キロ前後をマークし、鋭く変化するカットボールも一級品だ。しかし好不調の波が激しく、制球を乱して自らピンチを招くシーンも目立つなど、安定感には欠ける印象は否めない。チームはエースの高橋光成がメジャー移籍を希望していることもあって、巻き返しのためには若手の成長が必要不可欠である。ポテンシャルの高さは誰もが認めるところだけに、今年は先発ローテーションに加わることを期待したい。

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セ・リーグで一皮むけて欲しい投手は?