元2世信者の田代まゆみさん

山岡 私はガチで教えを信じていたので、禁じられている行為や恋愛はしないで生きていくものだと思っていました。家族でテレビドラマを見ていて、キスシーンになったりすると本当に気まずい空気が流れて、親がチャンネルをすぐに変えていましたね。

田代 私も教えを信じていたので、禁じられている行為に興味を持たないことが大事だと、そういったものから目をそらし続けていましたね。テレビドラマの話ですが、教団以外の家庭ではキスシーンでチャンネルを変えたりはしないんですか?

――おそらく変えないと思います、ドラマではよくあるシーンですし。話を戻しますが、男性たちは皆さん自慰をやってしまい、罪悪感にさいなまれての繰り返しだと話していました。みなさんはどうでしたか

岡村 幼稚園くらいの時にやりました。教団に反骨心を抱いていて、禁止されていることはどんどんやってみようと思っていたので(笑)。

――その年齢で、どうやってやり方を知るのですか?

岡村 集会や聖書で教えられるなかで、やり方にたどり着いてしまうんですよ。詳細が分かるわけではありませんが、こんな感じかなということは伝わってしまっていると思います。超むだな知識ですよね。

山岡 私も幼稚園の6歳くらいの時にしました。一度、親に見つかってムチで打たれましたね(※エホバの証人では子供への懲らしめとしてムチ打ちが行われている)。ガチで洗脳されていたから、行為の後はすごい罪悪感に襲われて、祈りを捧げました。

――禁止だと強制的に教えることで、逆に興味を持たせてしまい、やり方までを教えてしまっているのですね。本末転倒にも思えます。

岡村 そうです、異常ですよね。子どもの年代を分けて、年齢に応じた性教育をするならまだ許せますが、そうした最低限の配慮もなく、幼児も大人も一緒。何度も言いますけど、幼児期に知る必要のない、超むだな知識です。聞かされる方も迷惑極まりないし、学ばされて人生にプラスになることは何一つなかったと断言できます。

山岡 自分が子供を持つと、異常性がよくわかります。この小さな子供に性的な禁止行為を言い聞かせたり、音読させたりするなんてありえない。私のころは強化週間のような形で1週間に3回、集会で学ばされたこともありましたから。

岡村 性の目覚めが早いお子さんもいるとは思うのですが、私たちはそうじゃなかったですよね。与えるべきではない知識を、嫌でも与えられる。ただの児童虐待ですよ。

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