宗教団体「エホバの証人」で、幼少期から教団内での性的禁止行為について強制的に学ばされていることが元2世信者らによって明らかにされた。虐待行為として問題視されているが、AERAdot.の取材に応じてくれた元2世の女性3人の話からは、脱会後、大人になってからもその影響が大きく残っていることがわかった。極端な性的嗜好(しこう)になったり、セックスに対する罪悪感が消えなかったりと、今も「影」を引きずり、「ゆがみ」を抱え続けているという。
【写真】教団が教える“マスターベーションをやめる方法”がこちら
取材に応じてくれたのは、関西に住む山岡美保さん(30代)、首都圏在住の田代まゆみさん、岡村明菜さん(=40代、いずれも仮名)の3人。山岡さんと田代さんは20代前半、岡村さんは高校入学を機に教団から脱会した。
――先日は元2世の男性3人にお話をうかがいましたが、女性のみなさんも幼少期から性的な禁止行為について学ばされたのですか(エホバ元2世の男性編はこちら)
岡村 2~3歳のころからだったかな。とにかく幼いときから集会で学ばされていましたね。マスターベーションは禁止だと。マスターベーションを続けてしまって、なんとかやめることができた信者の実体験を示されて「欲望に打ち勝ちましょう」って。他にも聖書をもとに、親やきょうだい、動物との性行為はしてはいけない、などと教えられるんです。
山岡 なんだかわからないけど、「そういう世界があるのか、怖っ!」って思いました。性的な行為って、悪くて、怖いものだと刷り込まれました。
田代 家庭でも聖書を研究するのですが、幼いころからマスターベーション禁止などと、そこで学ばされるんです。「マスターベーションはいけません」って音読をさせられて。言葉の意味も分からないし、興味もないのに。
――どう考えても、理解できる年齢ではないですよね
岡村 私は物心ついた時から教団に疑問を持ち、はっきりいって教えを信じていませんでした。なので、セックスって何なのかまったくわからなかったけど、親やきょうだい、ましてや動物と、教団が教えるようなことをする人が本当にいるのかなって? 幼心にですが、「こんなのメチャクチャじゃねーか」って思った記憶があります。