――みなさんが「ゆがみ」を自認しているように、影響が残っている元2世の方もいらっしゃるのでしょうね

田代 元2世たちのオフ会で会った男性で、マスターベーションを告白して排斥処分(※禁止行為により、家族や信者から関係を断たれること)になった人がいたのですが、その後、信者だけでなく同居する家族からも無視され、自分を責め続けていました。他にも、ハルマゲドンだけは信じ続けてしまっているとか、元2世はそれぞれ、何らかの形で負の影響が残ってしまっています。

岡村 今も強く覚えていることですが、私、小さいとき、将来の夢に「風俗で働く人」って趣旨のことを書こうとしたことがあって……。でも、まずいかなって考え直して「お花屋さん」に変えたんです。なぜって、ポルノはダメだと教えられるなかで、裸でお金を稼げるんだって、そういう仕事があるんだって知ってしまったからです。エホバの教えを信じていなかったので、逆にその仕事に就いて、教団をやめてやろうって思いました。

――それも「ゆがみ」なのでしょうね

岡村 年齢にふさわしくない性的行為の学習を強要して、異常な罪悪感と恐怖心を植え付ける。抑圧やムチ打ちを繰り返し、「被虐」という極端な性的嗜好に結びつかせる。何度でも言いますが、私たちの誰一人として望んだことではありません。明らかな児童虐待だと思っています。

(聞き手/AERA dot.編集部・國府田英之)

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國府田英之

國府田英之

1976年生まれ。全国紙の記者を経て2010年からフリーランスに。週刊誌記者やポータルサイトのニュースデスクなどを転々とする。家族の介護で離職し、しばらく無職で過ごしたのち20年秋からAERAdot.記者に。テーマは「社会」。どんなできごとも社会です。

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