エホバの証人での性被害やハラスメントに関する調査結果について記者会見をする「JW児童虐待被害アーカイブ」のメンバーら=2023年11月28日

――皆さん笑っておられますが、笑えません。幼いころから、ムチ打ちや過剰な抑圧が続いたことで、たたかれたり圧迫されたりしないと愛情を感じなくなってしまったということですか

岡村 そうですね……いつから快楽に変わったのか、転換点は分かりません。ただ、思春期から「オラオラ系」みたいな怖い男性しか好きになれなかったり、強くストレスをかけられることが好きになってしまったりする自分がいるのは事実です。完全にエホバの影響で、それが残ってしまっていると思っています。

山岡 ムチ打ちってエホバ以外の人は想像がつかないと思いますが、めちゃくちゃ痛いんですよ。される前は本当に怖いから、好きなわけはない。ただ、ここからがエホバの異常なところで、ムチが終わると母がすごく優しくしてくれるんです。母は娘にムチで愛を注いだと信じていて、教えを無垢(むく)に信じていた私も、そのムチに耐えた。達成感のような不思議な感情がわいて、お互い抱きしめあうんです。幼かったですから、そんな風にすごく優しくしてくれる母を、いっそう好きになってしまうんですよ。

――世代的に、子どもにビンタやゲンコツをくらわすのが当たり前の親もいましたが、そのあとに愛していると言ったり、抱きしめたりというのは聞いたことがありません。DV(ドメスティックバイオレンス)の男性も、暴力のあとに異常に優しくなる人がいるとも聞きますよね

岡村 「愛してる、愛してる」って、私の母もムチの後に抱きしめてきましたよ。あなたを愛してるからやったのよって。ゆがまないはずがない。

田代 私も、自分や他人の子供がムチ打ちされて泣き叫んでいるのを見て、心底嫌だったはずなのですが、いつのまにか性的興奮へと変わっていきました。ゆがみすぎていると自分でも思っています。

――思春期は教えを信じていて、異性にも興味がなかった山岡さんと田代さんは、やめた以降は変わりましたか

田代 かなり時間がかかりましたが、異性に興味を持つようにはなりました。ただ、しばらくは教えが残っちゃっていて、婚前交渉を拒んだり、付き合ったら必ず結婚しなきゃと意気込んだりしていましたね。

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