山岡 男性を好きにはなります。ただ、セックスに対しての罪悪感が消えないんです。行為の最中も、自分を俯瞰(ふかん)しているもう一人の自分がいて、ぜんぜん楽しめません。罪悪感や恐怖心を植え付けられてきたせいだと思いますが、エホバの教えでいまだに人生を妨害されていると強く感じます。
岡村 私は、セックスをすると達成感があります。エホバに仕返しをしてやったぜって。でもこれって、エホバの影響が続いてしまっていることの裏返しなんですよね。
――教団や、教団の子どもたちに伝えたいことは
田代 SNSで、エホバを信じていないけどやめられない、という2世たちと話すことがあるのですが、「仲間の信者を裏切れない」と、仲間への信仰を話す人がけっこういるんです。でも、エホバを離れて元2世たちと話すと分かるのですが、信者の時から自慰をしていたり風俗店に通ったり、結構、性的な経験をしている人も多いんですよ。信者の時は言えなかっただけで。だから、もっと気楽に考えてもいいのかなと思います。
岡村 あれもこれも禁じるという、体質が古すぎなんですよね。意固地と言うか、あまりに時代に即していません。
田代 ですよね、もっとルールが緩くなってほしいと心から思います。
山岡 マスターベーションもセックスも、悪いことでもなんでもなくて、本来は楽しんでいいこと。その「普通」の感覚が持てなかったことは、人生の損でしかないと実感しています。幼いころから洗脳する行為はやめるべきで、変な先入観を植え付けてほしくありません。