ネーミングライツの募集でも苦戦が予想されるというが、札幌市は当初日本ハムが移転してもドームには明るい未来が待っていると前向きだった。2023年は赤字となるが翌年からは黒字転換し、2027年までにトータルで900万円の黒字になると試算していた。

 しかし最大のウリだったドーム内を半分に区切って使用する新モードは利用希望がほぼ皆無。高校野球や高校サッカーの開催は注目を集めたが、あくまでアマチュア大会で収入的に多くを望めない。サッカーJ1・北海道コンサドーレ札幌の試合のみが安定した収入源だ。

「切羽詰まった状況。冬季五輪誘致をきっかけにV字回復を目論んでいたが、最短でも2042年以降の大会誘致となる可能性が高まっている。今年度想定していた約3億円の赤字幅が拡大するのは間違いないと思われ、未来に光は見えない」(北海道在住スポーツライター)

 札幌ドームは2001年に開場してから20年以上が経つ。老朽化も進んでおり、何か手を打つ必要性はあるが収入の柱だった日本ハムが抜けては黒字化に向けて難しい部分も多い。

「ネーミングライツ募集も最後の悪あがきに見える。かつて大阪市が運営した大阪ドーム(現京セラドーム大阪)も(事実上の)経営破綻となったが、オリックスが現れて立て直しに成功した。冬季五輪誘致も失敗した今、ドームに対して手を差し伸べる企業が現れるとは思えない」(在京テレビ局スポーツ担当者)

「最終的には札幌市の判断になる。赤字を垂れ流しても存続させるか、思い切って解体するか。どちらにせよ税金投入されるので市民にとっては納得できない。現実的にまずはーミングライツの希望額を半額以下にすることから始めた方が良いかもしれません」(北海道在住スポーツライター)

 日本ハム移転前もネーミングライツが検討されたことはあり、希望額は今回の倍となる5億円。実際に公募もしたが売却先は見つからなかった。「ドーム1番の稼ぎ頭だった日本ハム」なき今は半額とはいえ、厳しいのは当然かもしれない。

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札幌ドームに明るい未来はあるのか