札幌ドーム(以下ドーム)が募集を始めたネーミングライツ(命名権)に対して様々な声が聞こえる。日本ハムが昨年から新本拠地に移転し、窮地に陥っているドームは、なんとか“生き残ろう”と動いているが、世間の反応は芳しくはない。
【写真】本拠地移転から25年以上経つが、今でもファンに愛されている球場がこちら
ドームを運営する札幌市の第三セクター「株式会社札幌ドーム」がネーミングライツの協賛企業募集を発表した。売却希望金額は年2億5000万円以上、希望契約期間は2~4年で2月29日まで募集するという。
「ネーミングライツ導入は良いアイデアだが希望金額は現実的ではない。企業広告の打ち方に関しては見直しが進んでいるが、通常の広告看板掲示と近い形のネーミングライツに対しての適正価格とは思えない。ドーム運営側は世間知らずと言われても仕方ない」(大手広告代理店関係者)
日本ハムとは球場の利用料などでも強気の姿勢を崩さなかったドーム側だが、今回のネーミングライツに対しても価格設定が強気だという意見が多い。
「NPB球場で最も高額がソフトバンクのPayPayドーム(ソフトバンク)と日本ハムのエスコンフィールドで約5億円。それぞれ人気球団の本拠地と、世界に誇れる最新式球場だ。NPBが使用せず稼働率も低いドームではその半額でも高過ぎる」(在京テレビ局スポーツ担当者)
他球団では熱狂的ファンを持つロッテのZOZOマリンスタジアムが3億1000万円、広島・マツダスタジアムが2億2000万円とされる。またJリーグの横浜F・マリノスの本拠地で日本代表戦や陸上の国際試合も行われる横浜国際総合競技場(日産スタジアムのほか、日産フィールド小机、日産ウォーターパークの2施設も含む)は、2021年から5年総額6億円の契約となっている。
「ドーム運営会社と札幌市は現状が理解できていない。希望額の年2億5000万円はマツダスタジアムより高いが、広島球団は昨年200万人以上を動員した。対するドームは本拠地としてドームを使用する北海道コンサドーレ札幌のホームの試合で30万人弱しか入っていない。単純計算で6分の1となる約4000万円でも高いくらい」(大手広告代理店関係者)