改めて考えたらちょっと信じられないんです、5年間もライブができなかったっていうのが。
コロナ禍でどうしようもない部分もあったけど、5年間も待ってくれていた方たちに申し訳なさと、感謝してもしきれない思いがある。こうして改めてスタートを切らせてもらったので、もっと環境を整えて、自分のスキルも磨いて、音楽活動もバージョンアップしてやっていきたいですね。
常に成長していきたい
――音楽活動も俳優業も常に「挑戦」を課すが、何より大事にしているのは地道な努力だ。
山下:僕はいきなり飛び級ができるタイプじゃないんです。だから、毎日ちょっとずつ、ちょっとずつ、成長しているのを信じて、積み重ねていくしかないな、と。成長ってね、成長してる真っ最中にはそれが感じられないんですよ。停滞したり、なんなら後退してるんじゃないかと思いつつ、続けていると、ある日突然「あれ? 成長した?」と感じられるときがくる。筋トレとかのフィジカルトレーニングもそうだし、演技のレッスンや英語のレッスンもそうでした。やっぱり、成長が実感できないのは苦痛だし、やる気が削がれるものだけど、そこを耐えてひたすらアホになってやり続けるしかない。
僕は、常に成長していきたいという気持ち……「成長欲」みたいなものが強くある。そういう自分でいられればきっと応援してくれてる人も飽きずについてきてくれると信じています。僕の役目は、応援してくださる方たちが知らないような秘境に分け入って、「こんな面白い世界がありますよ~」というのをシェアして楽しませることだと思う。今度はどこの秘境に行きたいのか、心の声に耳を傾けながら、ときにブルドーザーで開拓しながら、冒険を続けていきたいですね。
(構成/ライター・大道絵里子)
※AERA 2024年1月15日号より抜粋