音楽活動も俳優業も常に自分に「挑戦」を課して努力を続けてきた山下智久さん。独立して4年目の今、以前とはまったく違う世界が広がっているという。AERA 2024年1月15日号より。
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――昨年は5年ぶりにファンと対面できる、独立後初のコンサートツアーを開催した。誰かにお膳立てしてもらうのではなく、山下自身が「会場ってどうやって探すの?」というところから関わって作り上げたステージだという。どんな苦労と、どんな喜びがあったのだろう。
ファンとさらに深く
山下:いやもう、大変さで言うと書けないことはいっぱいあります(笑)。でも、それも自分の中になかった地図が描き足されていく感じで、すごく楽しい経験でしたね。会場って争奪戦なんですよ。どれくらい前からなら押さえられるのかとか、スタッフさんやダンサーさんのスケジュールも合わせなきゃいけない。交渉まで僕がするわけじゃないけど、コンサートを完走させるまでのプロセスはすべて学びました。ダンサーさんをたくさんつけて華やかにしたいと思ったらお金がかかる。あぁ、クリエイティブってお金がかかるんだなってことも学んで(笑)。
グッズもこだわって工場から開拓して見つけてきました。そういう経緯があると、会場でグッズを持ってる人を見るだけでめちゃくちゃ感謝の気持ちが湧いてきて。独立前には見えてなかった部分を見たことで、自分の思いがすごく変わりましたね。本番の2時間も、より貴重な時間に感じられました。今までとはまったく違った世界だった。ファンのみなさんともさらに深くつながった気がします。
――ここ数年は俳優活動が中心だったが、音楽活動は自分の「核」だと感じる。
山下:やっぱり、ファンのみなさんと直接会えるのはコンサートしかない。待ってくれている方にとっても特別だと思うけど、僕にとっても特別で。ライブでみんなに会えるっていうのをゴールにして他の活動をしているという感覚かもしれません。