32歳のゲームメーカー、森岡亮太(シャルルロワ)も再びJリーグでプレーしてもらいたい選手だ。ヴィッセル神戸で6年間プレーした後、2016年1月に欧州に渡り、ポーランド、ベルギーでプレーして今季で9年目を迎える。長くシャルルロワの攻撃の中心として活躍したが、昨季は徐々に出番を減らし、今季もここまでリーグ戦20試合中16試合に出場しているが、スタメンは8試合のみ。現契約は2024年6月までで、その後の移籍先が取り沙汰されている。本人の欧州滞在の意欲は強いようだが、高い技術とインテリジェンスを持つ男を欲するJクラブは多くあるはずで、活躍できるはずだ。
23歳のドリブラー、本間至恩(クラブ・ブルージュ)も自身のキャリアを考え直した方が良い。アルビレックス新潟の下部組織育ちで2019年にトップ昇格。小柄ながら切れ味鋭いドリブルでチャンスを作り出し、10番を背負ってサポーターから愛された。そして2022年7月にベルギーのクラブ・ブルージュに移籍。1年目は主にセカンドチームでプレーした中、プレーオフで1得点1アシストの活躍を披露して2年目の飛躍が期待されたが、迎えた今季もセカンドチームでのプレーが続き、クラブ・ブルージュではリーグ戦全試合ベンチ外と冷遇されている。まずは欧州他クラブへの移籍を目指すだろうが、昨季J1舞台で存在感を見せた古巣へ復帰しても良いはずだ。
近年、日本人選手の海外移籍がさらに活発化する中、昨季リーグ優勝を果たしたヴィッセル神戸で大迫勇也、武藤嘉紀、酒井高徳、山口蛍の海外経験者たちが輝きを放った。その他にも家長昭博、香川真司、柴崎岳、長友佑都らの30歳オーバーのベテランだけでなく、鈴木優磨、西村拓真、植田直通、井手口陽介、原大智ら20歳代の“元海外組”も存在感を見せた。今後、Jリーグが秋春制になればさらに日本と海外の境目はなくなり、海外に“行ったきり”ではなく“行ったり来たり”ができるはず。短い現役生活、冷遇されているならば他クラブへの移籍は真っ当な解決方法。その移籍先が日本であれば、Jリーグはさらに盛り上がるはずだ。(文・三和直樹)