「『どういうことですか?』とメッセージを送ると、ブロックされました。いまは被災地の人が一番辛いと思います。こういう事態を利用して詐欺をするのは、やり方が汚いというか。お金の額の問題ではなく、人としてあってはダメなことです。被害者が増えないことを祈るばかりです」
記者がそのアカウントに、「なぜ詐欺行為を行うのか」とメッセージを送ったところ、前出の男性同様にブロックされ、その後は連絡がつかなくなった。
このアカウントからメッセージを受けたことがあるという別の男性は「このアカウントは詐欺の常習者です。能登半島地震が起きる前から、貧困を理由にお金を求めていました」と語る。
Xで「PayPay 詐欺」と検索すると、こうした詐欺に多くの人が被害を受けていることがわかる。
PayPayは5日、公式ウェブサイトで「SNSなどでの『送る・受け取る』機能を用いた不正とみられる行為にご注意ください」というお知らせを掲載した。
PayPayの広報担当者は「SNSなどで被災者を装い、ペイペイ残高を受け取ろうとする事案が確認されている。見知らぬ人との残高のやり取りは控えて欲しい」と話す。
能登半島地震の募金に関しては、Yahoo!JAPANが『Yahoo!ネット基金』の窓口を開設している。
国民生活センターの担当者が言う。
「幸いにもこれまで問い合わせはありませんが、今後は相談があるかもしれません。個人が募っている寄付にはもちろん気をつけなければなりませんが、これからは組織的に詐欺を働く人が出てくる可能性があります。これまではロシアによるウクライナ侵攻や、2020年7月に熊本県を襲った大豪雨で寄付金や義援金を募る詐欺被害が多発しました。今回も同様の被害が増える可能性は大いにあります」