男性が受け取ったメッセージ。編集部で一部を加工しています。
この記事の写真をすべて見る

 元日に北陸地方を襲った能登半島地震ではいまでも住民の避難が続いている。そんななか、電子決済サービス大手「PayPay(ペイペイ)」を通じて被災者を偽ってお金を騙し取る詐欺がSNS上で多発している。

【写真】「もう2万円お願いできますか?」と訴えてきたメッセージはこちら

「『娘が震えていて不安です』とメッセージが来て……。助けになればと思って1万円をPayPayで送金してしまいました。その後、詐欺だと気づいて怒りが込み上げてきました……」

 関西在住の男性は今月1日、被災者と偽ってペイペイでの寄付を募る募金詐欺にあった。男性は「たぬたぬ【自称カリスマ】」という名前でX(旧ツイッター)を使用しており、フォロワー数は2万人を超える。

 地震が起きた1日夜、男性は「フォロワーさんで地震で困ってる人いたら相談してきてね できることは、するね!(原文ママ)」とX(旧ツイッター)に投稿。すると翌日、「石川に12月に引っ越してきたばかりで被災してしまいました…(原文ママ)」とメッセージが来た。

 男性が続ける。

「自分も娘がいるもんですから何かできないかと思って。1万円をペイペイで送金した数分後、もう2万円欲しいと言われて断りました。断った後にもさらに、『おむつで5000円』などとメッセージが来たんで怪しいなと思って『無理なもんは無理です』と言ったんです。断ってもずっと『娘が、娘が』と言われて……」

 男性が相手のアカウントを調べてみると、男性とのやり取りの直前に行われていた競馬レースの情報が投稿されていたという。そのとき、詐欺にあったことを自覚したと話す。

次のページ
詐欺の常習者