天皇、皇后両陛下の長女愛子さまが、帽子をかぶった姿を目にする機会が増えてきた。愛子さまが皇族方に祝賀のあいさつを伝える際には、訪問をする側が正装とともに帽子を着用するのが礼儀でもあるからだ。新型コロナが落ち着き、皇室にも「日常」が戻ってきたことがうかがえる。上皇さまの誕生日の昨年12月23日も、愛子さまは淡い水色の装いを披露。今後もその姿に注目が集まりそうだ。
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上皇さまの誕生日である昨年12月23日の午前10時半過ぎ。皇居・半蔵門から、愛子さまを乗せた車が出てきた。これから、上皇ご夫妻のお住まいである仙洞御所を訪ねるのだ。
「愛子さま」
「敬宮さま」
寒風の中にもかかわらず、愛子さまと両陛下をひと目見ようと門の前に集まっていた人から、歓声が上がった。
淡い水色のローブモンタントと帽子をかぶった愛子さまは、まだ離れたところから車の窓を開け、沿道の人たち向かってにっこりと笑い、会釈をして歓声に応えた。表情や手を振る様子にも余裕が感じられた。
愛子さまを待つ人たちの楽しみのひとつが、「今日はどんな衣装をお召しなのか」ということだ。この日の愛子さまが着ていたローブモンタントは、2023年の新年一般参賀の際に着ていたドレスだった。
愛子さまは今回、帽子を着用していた。ローブモンタントと共布の淡い水色のシルクの布地。花飾りなどはなく、つばのついたシンプルなデザインだった。
雅子さまは「シンプル」がお好み
ご一家の事情を知る人物は、こう話す。
「モンタントの襟がスタンドカラーのような作りでしたので、帽子も飾りをつけずシャープなデザインで調和させたと聞いています」
帽子のトップの部分は、ふわりとふくらむような曲線に仕上げてある。逆に、サイド(横)はつばに向かって絞るような弧を描き、帽子の土台にシャープな印象をつけている。
つばの形ひとつとっても、作り手による細やかな配慮が施されている。