一方、皇后雅子さまは、どちらかといえばシャープなデザインがお好みだという。
たとえば、つば全体が上がる「ブルトン帽」。正面はやや深めで、耳から後ろにかけてなだらかにラインが上がる作りに仕上がっている。このつばのラインを好まれるのは、皇太子妃時代から変わらない。
帽子のフォルムやかぶり方が違えば、顔の表情も大きく変わる。
雅子さまは、つばのある帽子をやや目深にかぶる。愛子さまは、淡い水色の帽子を浅めにかぶって額を見せる。顔の表情がよく見えると、若々しさが伝わってくるのだという。
愛子さまのほおに赤みがさして
これまでの愛子さまといえば、お印のゴヨウツツジの花飾りや、ふんわりリボンがかわいらしいサーモンピンクの帽子が印象的だった。
「愛子さまの色白のお肌にうっすら赤みがさして、よくお似合いでした」(前出の人物)
秋篠宮さまの誕生日の際に着用していた帽子は、カメリア(椿)をモチーフにした水色のヘッドドレスが美しかった。
今回のように、飾りのないシンプルな帽子は初めてだ。成年に合わせて事前に準備した帽子のひとつだ。
「どのようなデザインがお似合いになるのか、お好みなのか。いまは、愛子さまも忙しいため仮縫いも難しい。職人も、いろいろなデザインをご提案して試行錯誤している段階だと聞いています」(事情に詳しい関係者)
天皇や皇后、そして皇族方の装いは、単なるファッションで終わるものではない。国内外の要人を接遇し、厳粛な式典にも出席する。場にふさわしい装いは、接遇の相手やそこに集まる人々に敬意を示す手段でもある。帽子も、洋服やドレスと一体感をもたせ、皇族にふさわしいものでなくてはならない。
愛子さまも22歳となり、これからますます公の場に出席する場面が増えてくる。その装いの変化にも注目が集まりそうだ。(AERA dot.編集部・永井貴子)