食物繊維から食べる

 栄養素のバランスも大切ですが、健康には食べる時間、食べる順番などさまざまな要因が複合して関わります。一汁三菜のうち、何をどの順番で口にするのが良いのでしょうか。

 糖質のかたまりであるご飯を最初に口にすると、それが少量でも血糖値は急上昇します。そして、血液中のインスリン(血糖値を下げるホルモン)濃度が上昇する結果、3時間後にはむしろ血糖値が下がりやすくなることが知られています。

 同じ糖質を食べるとしても、最初に野菜など食物繊維を多く含むものを食べ、次に味噌汁や魚・肉などの主菜を食べ、最後にご飯を食べるという順番にすると、血糖値の乱高下を防ぐことができます。食物繊維は余分な糖や脂肪を吸着する働きがあるため、必要以上の糖が血液中に流れ込むのを防いでくれるためです。

 ちなみに、寝る前に糖質を多く摂ると、睡眠の質を下げ、成長ホルモンの分泌を妨げてしまいますし、翌朝の空腹時血糖値も跳ね上がりますので、要注意です。

 食卓にはできるだけ野菜やキノコ、海藻類などの食物繊維が豊富な食材を取り入れ、それらを最初に食べ始めるようにしましょう。ただし、野菜の中でも、かぼちゃやニンジンなどの根菜類、芋類などは糖質が多いので一口目には向きません。芋類はご飯と同じ炭水化物に分類されます。

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食べる時間を意識する