「3食規則正しく食べる」のが健康の基本だという刷り込みがあるのか、時間がきたからお腹が空いていなくても必ず食べなくてはいけないと思い込んでいる人もいるようです。それでも食べ始めると、基本的には食べることは本能ですから、不思議と食べられてしまうものです。
しかし、それは不要なエネルギーとなって体の脂肪として溜まるだけですから、健康上はあまりよくありません。年齢を重ねるごとに消化機能も少しずつ低下していきますので、あまりお腹が空いていなければ1食を抜く、または軽く済ませるという幅を持っていただきたいと思います。
場合によっては、意識的に「食べることを休む」時間を作り、消化器の状態をリセットすることも有効でしょう。短期間の絶食が慢性炎症の改善に働くことを示した研究や、食べているものの質には関係なく、ファスティングタイム(食事と食事の間隔)が長いほうが健康長寿に効果的であるとする報告もあります*。
「何を食べているか」に注目しがちですが、空腹を感じる時間が少なくなっている現代生活では、食べていない時間を意識的にとるほうが、胃腸や肝臓の修復時間が長くなり、調子が整いやすいと言えるでしょう。
食事の代わりに野菜のスムージーを飲む、消化の良いスープを少量とるなど、あまりストレスなくできる「ゆるい断食」も体調を整えるのに有効な場合があります。平日はコントロールしにくいという人も、休日などにこうしたファスティングを意識的に取り入れることで、胃腸など消化器をリセットするとよいでしょう。排泄機能も高まり、老廃物を排出することで体が軽くなるという利点もあります。