資金に余裕のある人は値下がりを待つよりも、好条件の物件があれば買っておいて損はないと思います。立地さえ慎重に判断すれば、万が一の場合にも買い手は現れやすいと思います。好条件の物件なら今は購入リスクが低い状況にあると考えています。
――金融政策の変更が見込まれています。
こういった市場のトレンドに変化があるとすれば、注目すべきは日本銀行の政策動向でしょう。ただし、緩和策は基本的に維持され、24年に金利が大きく動くようなことはないと考えています。政府や日銀はデフレ脱却を目指すなか、政策を急激に変えればデフレに逆戻りするリスクが高くなるためです。
賃上げが物価の値上がりを上回るような実質賃金の上昇がみられなければ、ゼロ金利政策の解除に踏み込むのはなかなか難しい。注目は春闘ですね。十分な賃上げが実現すれば、緩和策の修正や金融政策の正常化といった方向性が見えてくるかもしれません。
とはいえ住宅ローン利用者のうち7割超が、半年ごとなどに金利を見直す「変動型」を利用していると言われます。
23年は日銀が長短金利操作(イールドカーブコントロール=YCC)を修正したことで長期金利が上がり、ローン金利が長期金利に連動して決まる「固定型」や「固定期間選択型」は影響を受けました。
これに対し、短期金利に連動する変動型のローン金利は金融機関の金利引き下げ競争によって、むしろ下がったほどです。安いもので0.2%台、平均的には0.3~0.5%台です。