発症1日目のAさんの両足。発疹は痛みだけでなくかゆみもあったという

車いすに乗せられて腎臓内科へ

 医師には「溶連菌感染と、今の足の状態は関係があるかもしれない」と言われたが、町のクリニックでは手に負えないということで、総合病院の皮膚科を紹介された。

 そこで疑われた病名は、「IgA血管炎」。車いすに乗せられたAさんは、なぜか腎臓内科へと運ばれた。

 IgA血管炎とは、IgAと呼ばれる抗体が関連した、免疫異常疾患だ。毛細血管に炎症が生じることで、皮膚の紫斑(皮内や皮下の出血をともなう紫色の斑点)、関節痛、腹痛などが引き起こされる。特に、毛細血管が数多く集まる腎臓はダメージを受けやすいため、腎障害も代表的な症状の一つなのだという。

 腎障害が重症化して腎不全におちいる最悪のケースを防ぐため、免疫システム自体を抑制するステロイド薬での治療が始まった。両足に広がった発疹は2週間ほどで消えたが、何カ月もの投薬治療による副作用は深刻だったという。

「食欲が止まらないから腹は出るし、顔もまんまるにむくんで、いわゆる“ムーンフェイス”状態。ぶくぶくに太りましたね」(Aさん)

 そしていざ薬の服用をやめると、前回の発症から4か月後に再発。例の発疹が、今度は太ももまで広がり、またステロイド薬に頼ることに。幸いその後は再発せず、薬の服用もやめられたが、現在も3カ月に1回は血液検査に行き、経過観察を続けているそうだ。

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