今冬は「警報」が出されたほど大流行している溶連菌感染症。画像はA群溶血性レンサ球菌の電子顕微鏡画像(写真:Science Photo Library/アフロ)
この記事の写真をすべて見る

 のどの炎症や発熱などを引き起こす、A群溶血性レンサ球菌咽頭炎(溶連菌感染症)が全国的に広がっている。東京都は21日、感染症法が施行された1999年以降初の「警報」を発表した。溶連菌感染症といえば、おたふくかぜや水ぼうそうのような「子どもの病気」のイメージがあるが、実は大人もかかることがある。重篤な合併症に苦しんだ男性のケースから見えた、溶連菌の意外な“恐ろしさ”とは。(記事には「閲覧注意」の画像が含まれています)

【閲覧注意】足全体が紫色のポツポツに覆われてしまったAさん

*  *  *

 メディア業界で働く40代男性のAさんは、6年前のある日の会社帰り、突然足に強烈な違和感をおぼえた。「なんだろう、足、動かねえ……」

 仕事で疲れているのかなと思ったが、痛みが強くなったためタクシーで帰宅。家に着いて靴下を脱ぐと、ポツポツと膨らんだ無数の赤い発疹が、両ひざ下に広がっていた。

 翌日になると、足首周辺の発疹同士がつながり、皮膚はゾンビのように紫に変色していた。しかも足全体がパンパンに腫れあがり、立っているだけでもしんどい。何が起きているのかさっぱり分からなかったが、間違いなく異常事態だった。

 すぐに自宅近くの病院を受診。その際、「関係があるかは分からないんですけど」と前置きしつつ、数日前に4歳の娘が溶連菌に感染したことと、自分も風邪気味でのどが痛いことを伝えると、溶連菌の迅速抗原検査が施された。結果は陽性だった。

著者プロフィールを見る
大谷百合絵

大谷百合絵

1995年、東京都生まれ。国際基督教大学教養学部卒業。朝日新聞水戸総局で記者のキャリアをスタートした後、「週刊朝日」や「AERA dot.」編集部へ。“雑食系”記者として、身のまわりの「なぜ?」を追いかける。AERA dot.ポッドキャストのMC担当。

大谷百合絵の記事一覧はこちら
暮らしとモノ班 for promotion
Amazonプライム会員向け動画配信サービス「Prime Video」はどれくらい配信作品が充実している?最新ランキングでおすすめ作品をチェック
次のページ
治ったと思ったら4カ月後に再発