メジャーリーグ時代は2017年にミルウォーキー・ブルワーズでシーズン30本塁打を記録し、シアトル・マリナーズに移籍した2019年には東京ドームで行われた開幕戦で満塁本塁打を放つなど、来日前のサンタナには大砲という印象があった。それだけに今季の成績は「意外だった」と言うのは、獲得に携わったヤクルトの奥村政之国際グループ担当部長だ。

「長打(本塁打)は減ってきたんですけど、打率が3割に乗るとは思っていなかったんで。彼は日本野球のスタイル、『こうすれば(ヒットが)打てるんだ』みたいなことが分かってきたようなことをほのめかしていました。もともと多少は打率が低くてもホームランを期待される感じではあったと思うので、そういう意味ではちょっとしたサプライズでした」

 オスナも8月に下半身のコンディション不良で登録を抹消されたものの、10日ほどで復帰。チーム4位の134試合に出場し、自己最多の23本塁打、村上に次ぐ71打点を叩き出した。日本に来たばかりの頃は三塁の守備で拙守が目立ち、一塁転向後もしばらくはゲーム終盤になると守備固めを送られていたが、今では自身でもゴールデングラブ賞が「目標の1つ」というほど安定感を増した。

 冒頭に述べたとおり今季は3年ぶりのBクラスに終わったヤクルトだが、それでもこの2人が打線にいなかったらと思うとゾッとする。オスナが来季までの3年契約を結んでいて、単年契約が満了したサンタナも正式に残留が決まったのは、巻き返しを目指すチームにとって実に心強い。

 そのサンタナとオスナは、来季で在籍4年目を迎えるヤクルトというチームについてどう思っているのか? 以前に聞いた話からは、2人の強い「燕愛」がうかがえる。

「高津監督もコーチのみんなも、僕らを信じてチャンスを与えてくれた。その期待を裏切りたくない、チームのために頑張りたいという気持ちになれたのも、日本で成功した理由の1つだと思う。スワローズに入って良かったか? 100%そう思ってるよ」(サンタナ)

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