ただ高校時代には遠くへ飛ばす打撃も見せており、決して長打力がないわけではない。そうなると他力になるが、期待されるのは本拠地であるバンテリンドームナゴヤの改修だ。過去にもPayPayドームやZOZOマリンスタジアムでホームランになるゾーンを広げたことがあり、中日ファンからも同様の改修を求める声は根強い。数年後、岡林にパワーがついてきた時にホームランの出やすい本拠地となれば、一気に数字を伸ばしてトリプルスリー達成という可能性もありそうだ。

 一方のパ・リーグで期待がかかるのが万波中正(日本ハム)だ。プロ5年目の今シーズンは初めて規定打席に到達し、リーグトップから1本差の25本塁打を放つ活躍を見せた。三振もリーグ最多の138と粗さは残るものの、軽々とスタンドまで運ぶパワーは大きな魅力で、来シーズンは30本塁打も十分に期待できる。また打率に関しても昨年の.203から今年は.265と大幅に改善しており、近い将来3割をクリアする可能性も十分にありそうだ。課題となるのは盗塁である。昨年まで通算盗塁数は0で、今年ようやくプロ初盗塁を決めたもののわずか2という数字にとどまっている。ただ決して脚力がないわけではなく、走塁では度々光るプレーも見せているだけに、技術的な面や意識の向上が重要ではないだろうか。まずは来シーズン、最低でも二桁盗塁を目指してもらいたい。

 実績はまだまだこれからだが、将来的に面白い存在としては浅野翔吾(巨人)と長谷川信哉(西武)の2人を推したい。浅野はルーキーイヤーの今年、夏場以降に調子を上げて二軍で打率.262、7本塁打、6盗塁をマーク。シーズン終盤には一軍でもプロ初ホームランを放っている。ホームランの出やすい東京ドームであれば将来的には30本塁打も十分狙えるだけのパンチ力があり、またトップスピードになるのが速い走塁も魅力だ。長打に対する期待も大きいが、パワーをつけながら脚力も維持して、打って走れる選手を目指してもらいたい。

 長谷川は育成ドラフトでのプロ入りながら、昨年支配下登録されると、3年目の今年は一軍でも40安打、4本塁打、3盗塁とまずまずの結果を残した。また二軍の成績を見てみると、52試合の出場で打率.332、8本塁打、18盗塁と圧倒的な数字を残している。運動能力の高さは抜群で、3割、30盗塁は十分狙えるだけのポテンシャルは秘めているだけに、ここからスピードを残したままどこまでパワーアップできるかに期待だ。

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メジャーでも日本人のトリプルスリーに期待